「調査書」の『教科評定』は誰が決定するのでしょうか?
A先生の評価は甘いけれど、B先生は辛い。C先生は気分屋なので結果が読めない。
「今年はA先生だったからラッキー!」
・・・では困ります。不公平です。
以下の文はフィクションです。
あらかじめお断りしておきます。
中学3年生、上野君の例。
たとえば、1学期の数学の評価です。
まず上野君の数学担当のA先生が評定「5」を付けました。〔1次評価〕
次に3年生の数学の先生、A先生、B先生、C先生が各々の受け持ち生徒たちの成績を持ち寄ります。
クラスによって不公平がでないように調整します。
何と・・・B先生から「甘すぎる」と言われ、上野君の評定は「4」になりました。〔2次評価〕
最後に学年主任のD先生が3年生全員の評定をチェックします。
D先生は経験豊富なベテランなので要領よく確認します。
さすがに250人全員を検証するのは無理です。残業しても帰れません。
まずは、「成績優秀者」と「成績不良者」、そして「あれ?変だなぁ・・・」という「異常評定」
知っている生徒の分は、ついつい時間をかけて見てしまいます。
「あれ?上野君の数学が4?」
・・・今まで数学で「4」を取ったことはないはずだ。1年の1学期からずっと「5」だ。
私が担当している社会科では学年トップの成績だ。数学「4」は納得がいかない。
「A先生、B先生、C先生、ちょっと来てぇ~。どうして上野君の数学は「5」でなくて「4」なの?説明して!」
・・・A先生からの説明(30秒)
・・・B先生からの説明(30秒)
・・・D先生の鶴の一声(1秒)
期末テストの点数は43点と見劣りしたが、「授業に対する前向きな姿勢」が大きく評価され、評定「5」〔3次評価〕
最後は管理職の教頭先生が承認印を押して終わり。
上野君の数学の成績は評定「5」〔最終評価〕
終業式の日に成績表を見て驚きます。上野君本人です。
「あの点数で、よく5が付いたなぁ・・・」
上野君、A先生からは正しく評価してもらえましたが、B先生からは冷たくされ、最後はD先生に助けられました。
中3『点取り虫講座』(4)
